思いの力
2026/07/17
あなたの思いが、あなたの世界を作ります。
幼い子どもは先入観がないので、親や先生の言葉をそのまま受け入れます。「あなたは優しい子だね」と言われ続けると自分を優しい人間だと信じ、反対に「お前はダメな子だ」と言われ続けた子は、本当に自信を失ってしまいます。これを「暗示理論」と呼びます。
実は大人になってからも、自分に向ける言葉で、自分を形作ってしまいます。
「私は人前が苦手です」「私は運が悪いです」「私はどうせ続きません」「この年齢だから何を学んでも」
そんな言葉を何度も繰り返していると、脳はその証拠を自動的に探し始めて「ほら、そうでしょう」とさらに自己暗示を強化し、その通りの人生を歩みます。
逆に「自分は大丈夫」「きっとできる」そう信じ始めると、今度は脳がその証拠を見つけ始めます。
たとえば、ペットを飼うと、通勤する道に動物病院をいっぱい発見するように。人間の脳は自動システムで見つけ出すのです。
「流れ星が落ちるまでに願いを言うと願いが叶う」のも、それだけ日々、その願いを意識していないと言えません。日々意識しているから叶うのです。
かつて陸上界では「100メートル10秒の壁」は突破できないと言われていました。しかし、ウサイン・ボルト選手が9秒台をいとも簡単に出し続けると、日本でも桐生選手が10秒を突破し、次々と9秒台ランナーが登場しました。社会全体が「できる」という暗示に入った瞬間、現実が変わる。これは「ファーストペンギン現象」です。他者がやったことで「自分にもできる」という自己暗示が生まれるのです。
医学の世界でも、ニセ薬を信じて飲むだけで本物以上の効果が出る「プラシーボ効果」があります。
また19世紀に猛威を振るった結核は、その正体が「結核菌」だと判明した途端、治療法の発見は半世紀後だったのに、世界中で死亡率が3分の1に激減しました。「未知の恐怖」からの解放が、身体の結核菌に対する免疫システムを活性化させた事例です。
アメリカのジーン・アクターバーク博士は、人間のイメージ力がどれほど具体的かを実験で証明しました。学生を二つのグループに分け、一方には免疫細胞の「好中球」を、もう一方には「T細胞」を強く頭の中でイメージさせました。結果、好中球をイメージしたグループは好中球だけ過度に増え、T細胞をイメージしたグループはT細胞だけが大幅に増加したのです。
高性能の顕微鏡でしか見えないミクロの体内細胞さえも、人間の「強いイメージ」で増やすことが可能なのです。
また心理テストで憎しみや攻撃的な部分が高得点だった人は、そうでない人たちに比べて、心臓病で亡くなる確率が『7倍』も高いというデータがあります。
また、楽観主義者よりも悲観主義者がよく風邪をひきます。癌にかかった患者さんでも『絶対に治すぞ』という”ファイト精神”を見せる人の方が、受け身の態度の人よりも、はるかに長く生きることが報告されています。
だからといって「病気は心が弱いからだ」と言いたいのではありません。病気には遺伝要因も環境要因もあるからです。けれど、心が大きく左右する影響ことも忘れてはいけません。
人間は誰もが、自分の中に奇跡を起こせる『眠れる聖者』が住んでいます。また『破壊者』も住んでいるかもしれません。
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心理カウンセラー衛藤信之
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