なぜ、人類は争いを繰り返すのか
2026/08/04
僕たちは将来を予測できる生き物です。
犬は3日分の餌を与えると、おそらくお腹がいっぱいになるまで食べるでしょう。
でも、僕たち人間の前頭葉は「普通よりも3日分多いぞ? え〜、ご主人が旅行かな? これを全部、今日食べると明日、明後日はないかもしれない」と考えます。

もちろん3日分食べる人もいますが、人間は未来を考えて我慢できる動物です。それは僕たち人間には時間の流れを知る機能、時間的展望(Time Perspective)が脳にあるからです。
百獣の王ライオンは、縄張り争いで相手と戦います。でも勝敗が決まれば、相手は逃げ、そこで戦いは終わります。危機が回避されれば、その瞬間に怒りが収まるからです。
でも、僕たち前頭葉が発達した人間は、「相手が今より強くなって向かってきたらどうしよう」「仲間を連れて来たらどうしよう」と未来を恐怖や不安に支配され、戦う相手の息の根を完全に止めるまで戦ってしまう、不安にかられやすい脳を持っています。
それが戦争が繰り返される理由の一つです。アメリカがイランを攻撃したのも、「イランが核を持ったらどうしよう」という未来への不安からです。
でも将来の可能性だけで攻撃される と、追い詰められたネズミがネコを攻撃するように、国も同じです。他国を「完全に排除しよう」とすれば、排除されようとする国が、生き残るために必死で反撃することは、火を見るよりも明らかでしょう。

ロシアも、ウクライナがNATO(西側)に将来加わり、国境のすぐ近くまでNATO(西側)のミサイルが向けられたらどうしようという不安から侵攻を始めました。
僕たちの心が不信感でいっぱいになると、世界は大きく戦争に傾きます。ドイツとアメリカは、どちらが先に核兵器を作るかを競い、アメリカが先に恐ろしい原爆を作りました。そのアメリカを恐れてロシアが核兵器を持ち、そのロシアを恐れてイギリス、続いてフランス、中国、インド、パキスタン、そして北朝鮮へと核は広がっていきました。
イスラエルも公式ではありませんが、核兵器を有していると言われています。根底にあるのは、「相手を信じられないから、自分たちも武器を持たねば」という不安にかられた未来予測です。
他国への不信が世界に広まれば、終わりのない戦いの連鎖が広がり続けます。
だからこそ、僕たち唯一の被爆国の日本人だけは、未来の行動を決める前頭葉を、不安のイメージ に支配させてはいけないと思っています。
ですから原爆の愚かさと国と国の戦いの悲惨さを知っている僕たち日本人が、世界の雰囲気の流れに流されないで、率先して他国への不安や他民族への不信を広げない呼びかけを、先陣を切って伝えなければならないのでしょう。

今週は広島や長崎への祈りの週間です。核廃絶の努力を広島や長崎だけに孤立させてはいけないと僕は心から思います。先週では熊本で地震がありました。
でも、日本は古来より、鎮魂と慰霊(お盆、祭り、花火)を同じ時期に行ってきた文化があります。「悲しみや鎮魂を忘れないこと」と同時に「今ある日常を精一杯生きること(日常生活と経済を回すこと)」この二つを両立させることが、被災者への経済的な援助にもつながるのです。
あまり沈滞ムードに流されて、未来をプログラムする前頭葉を世界への不信や不安だけに支配させないでください。
日本人こそ、率先して「きっとステキな未来が、世界にやって来る!」と信じて、国も民も「未来の平和の扉」を開きたいものですね。

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心理カウンセラー衛藤信之
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