誰かに愛を伝える日
2026/07/17
明日は七夕ですね。
一年に一度しか会えない織姫と彦星。
だから僕は思うんです。二人は、そのたった一日を生きるために、364日を過 ごしているのではないでしょうか。
もし明日、空が曇っていたら。もし雨が降っていたら。
僕は「二人の大切な時間を、地上の人たちに見せ物になんかしたくない」と、雲がそっとカーテンを閉めてくれたのだと思うことにしています。

恋人も、夫婦も、親子も…僕たちは、いつでも会えると思ってしまいます。でも時間は残酷なまでに、そのチャンスを与えてはくれません。
心理カウンセラーとして、よく聴くのが「もっと会っておけばよかった」という後悔です。七夕が終われば、お盆がやってきます。
ある男性は、ご両親のお葬式の打ち合わせで尋ねられました。
「お父さんの好きだった花は?」「よく聴いていた音楽は?」
その瞬間、親を「親」としてしか見てこなかったことに気づいたそうです。
一人の人間として、どんな夢を持ち、何を好きで、何を大切にしていたのか、何一つ知らなかったと。
「お父さん、お母さん。若い頃どんな夢があったの?」
そう聞けば、きっと少し照れながら、嬉しそうに話してくれたはずなのに…
ある女性は、お母さんからの留守電に録音された声が、今でも消せません。
「元気にしてるかい?」
その数時間後、お母さんは突然帰らぬ人となりました。
忙しい娘を気づかいながら、それでも声が聞きたくて押した発信ボタン。
その愛を思うたび、涙があふれるそうです。
また別の女性は、実家の卵焼きや味噌汁を思い出して言いました。「どうして一緒に料理をしなかったんだろう」
「レシピを書いてもらえばよかった」
その味は、もう世界中の誰も作ることができないのに。
子どもの夜泣きで眠れない夜。熱を出して慌てて病院へ走る日。
その時になって「ああ、お父さんも、お母さんも、こうやって心配し育ててくれたんだ」と気づくのです。
でも、その頃には、その「ありがとう」を伝えたい相手が、もういないこともあります。

あなたはどうでしょう。
最近、お父さんやお母さんの後ろ姿を、ゆっくり眺めたことがありますか。
少し小さくなった背中を見て、時間が流れていることに気づいていますか。
「生んでくれてありがとう」その背中に伝えるチャンスは、実は今日もあるのです。
心理学は、過去の後悔を癒やす学問です。でも僕は、それ以上に、未来の後悔を減らす学問であってほしいと思っています。
七夕は、一年に一度しか会えない二人の物語。
だからこそ、その一日を誰かに愛を伝える日に変えませんか。
人生も同じです。
「また今度ね」が必ず来る保証など、誰にも与えられていないから…
だから今日だけは、あなたに僕からお願いがあります。
会いたい人がいるなら、会えるうちに会ってください。
せめて会いに行く、予定を日程表に書き込んでください。
「ありがとう」は、伝えられる日があるなら、大切な人に伝えてみると決めてください。

まずは今夜、お父さん、お母さんに電話をして「とっても大切な人の声を聞きたくなって…」と声をかけてみませんか。その何気ない時間が、いつかあなたの人生を支える大切な宝物になると僕は信じています。
失ってから気づくのではなく、今、気づいて愛を伝える。
そんな七夕になりますように…

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心理カウンセラー衛藤信之
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