自己肯定感を高める

      2026/09/24

 誰かに褒められると素直に喜べないで、穴ぐらに逃げたくなるような気分になることがありませんか?



 「穏やかな人ですね」と言われたら、「いやいや、妻からは気が利かないって、いつも言われます」
 写真を褒められたら「最近のスマホは誰でも上手く撮れますから」
 「ステキな服ですね」と言われたら「これ?セールで2,000円だったんですよ」と、すぐに値段の話に変えようとする。
 「カラオケで上手いですね!」と言われると「これだけを練習してなんとか歌えるようになっただけです」と、たまたま歌えたアピールをしてしまう。

 もちろん、日本人は謙虚さが美徳という教えがありますから「はい、私はすごいです」と有頂天になる必要もありませんが、ただ、せっかく花束をもらったのに「わたしにはこんな花は似合いません」と受け取らないのも美徳とはいえません。



 「褒められると素直になれないのか?」の心理を考えてみました。

 ①自分の評価と、外からの評価が一致しないと人は不安になります。
 自分を「たいしたことのない人間だ」と思っている人に「あなたはすごいですね」「本当に優秀ですね」と言っても「この人は私の本当の弱い自分を知らない」

 「いつか実力がないことがバレてしまう」と不安になります。自分が持っている自己イメージと食い違うと、人は落ち着かなくなります。

 ② 幼い頃に誰かに期待された人は、上司に「仕事が早いね」と言われると「次も早くしなければ」「もう失敗できない」または「これからも頼まれるのではないか」と、子どもの頃に、良い成績を取ると、さらに高い目標を求められた人は、“次の課題”を無意識に感じ不安になってしまいます。

 ③過去に「あなたしか頼める人がいない」「本当に優しいね」と褒められた後で、無理な依頼をされた経験が重なると心配になります。誰かに褒められると次に「何か頼まれるのでは?」と身構えてしまうからです。また、誰かに褒められたら、褒め返さなければならないという返報性の心理も働きます。

 ④兄弟姉妹の間で比較されたり、過去に誰かに特別扱いされ、妬まれたりすると「『目立つことは命取りだ』という防衛本能が働いてしまいます」
 「お姉ちゃんはすごいね」「あなただけ褒められてズルい」「調子に乗るなよ!」そんな経験から「自分だけ評価されてはいけない」「目立ってはいけない」と、自分を小さく見せることがクセになります。

 人は「自分はこういう人間」という、設計図のようなものを持っています。たとえば、「私はいつも失敗する人間」「私は才能がないタイプだ」という設計図を、長年持っていると誰かに「あなたは才能があるね」と言われると、自分の設計図と合わなくなり不安になります。それは、新しい道ができているのに、古いカーナビを信じて「いや、このルートを通らないといけない」と過去の「自信のない自分」の道を走ってしまいます。

 自己肯定感を高めるのは、誰かが見つけてくれた「小さな自分の良さ」を、少しずつ受け入れてみることからスタートします。

 褒められたら「そう感じてくださったんですね」「そんな自分になれるように努力します」「とても幸せなプレゼントをありがとう」「あなたが私の中に見つけてくれたものを、これからも大切に育てていきます」と言ってみてください。

 それが自己肯定感を高める第一歩です。

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心理カウンセラー衛藤信之
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