あなたの完璧主義とは
2026/10/06
「あなたは完璧主義ですか?」
僕がそう聞くと「いやいや、私なんて失敗ばかりですから」と言う人が多いです。
でも完璧主義とは、何でも完璧にできる人ではありません。
むしろ「完璧でない自分を恐れている人」です。
資料を何度も見直しては不安になる。
LINEを何度も書き直しては送れない。
10人に褒められても、たった一人の批判が頭から離れない。

そこには「完璧でないと愛されない」という恐怖が隠れています。
でも考えてみてください。
いったい誰にとって完璧にすればいいのでしょう?
親ですか?会社の人?夫?妻?それとも友達ですか?
Aさんに合わせれば、Bさんから「八方美人よね」と嫌われて「じゃあBさんに合わせよう」とすると、Hさんからは「もっと自分を持ちなさいよ!」と責められてしまいます。
それぞれ欲求が違うのですから、すべての人に好かれる「完璧な自分」なんて、最初から存在しないのです。
インディアンの長老が話してくれました。
「森を見てごらん。まっすぐ伸びる木もあれば、曲がった木もある。
雷に打たれ、傷ついた木もある。でも森は、曲がった木に『お前は失敗作だ』と責めはしない。
川だって、まっすぐ海には向かわない。
岩にぶつかれば曲がり、倒れた木があれば、また曲がって流れていく。
それでも川は、自分を嫌いにはならない。
空だって、晴れたり、曇ったり、雨を降らせたりする。
自然界のどこを探しても、ずっと完璧なものなんてないのさ。

なのに母なる大地の子どもの人間だけが、
『曲がってはいけない』
『間違ってはいけない』
『失敗してはいけない』
『すべての人に好かれなければいけない』
そんな無理な注文を、自分たちに出し続けている。
いいかい。傷のない木になる必要なんてないのさ。
曲がりながらでも、傷つきながらでも、自分らしく伸びていけばいい。
自分の曲がったところを許せるようになったとき、きっと誰もが隣の曲がった木にも優しくなれるのさ」
僕は、この長老の言葉が好きです。
自分の失敗を許せない人は、他人の失敗にも厳しいです。
でも「私だって間違える」「僕だってダメな日がある」と思えたら、誰かの失敗にも「まあ、そんな日もあるよね」と言える優しさが芽生える。だから目指すのは完璧な人間ではなく、不完全な世界を優しく受け入れる人間です。
ただ僕は、心理カウンセラーとして、これまで多くの人を観察してきて、気づいたことがあります。
こうして「不完全を大切に」と言われると、昨日までは「完璧を目指していた人」が、今度は「完全な不完璧主義者」を目指し始めるから不思議です。
「もう周囲に合わせなくてもいいのよ!」
「自分らしく生きるべきよ!」
「人の期待なんかムリして応えないで!」と、不完全教の布教はじめる。
結局、タービンが完全主義から不完全主義に逆回転してしまうのが完璧主義者です。だから、不完全も頑張らなくていいのです。
また人の目を気にしてもいいし、また失敗を怖がってもいい。
そんな自分に気づいたら「ああ、また完璧にやろうとしているな」と、ちょっと笑えばいい。それくらいが、人間にはちょうどいいのです。

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心理カウンセラー衛藤信之
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